洗剤に使われる酵素
洗剤においての酵素の働き
このカテゴリーでは一貫して代謝酵素や消化酵素といった、我々の身体に対する影響力を持つ酵素の説明をしてきました。
酵素というものがいかに我々の身体にとって重要か、いかに摂取するべきものであるか、という事がよく理解できたと思います。
この酵素ですが、実は洗剤にも使用されている、という事をご存じだったでしょうか？
普段洗濯などに用いられる洗剤には、酵素が使用されている事が多いです。
テレビのコマーシャルでも「酵素の力で～」というキャッチフレーズを聞いた事がある人も多いのではないでしょうか。
洗剤によく使われる酵素としては、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼと呼ばれるものが多いです。
これらはいずれも加水分解酵素という、加水分解反応を触媒する酵素とされています。
プロアテーゼですが、これはタンパク質を分解するという力を持った酵素の事をこう呼びます。
水溶性のタンパク質による衣料の汚れというのはよくある事なのですが、この水溶性タンパク質はその時すぐに対処すれば基本的に落とす事も可能です。
しかし、水溶性タンパク質は少しでも固まってしまうと除去が非常に困難となります。
プロアテーゼならその汚れも落とす事が可能であり、その為洗剤などに用いられています。
リパーゼはトリグリセリドと呼ばれる油脂の成分を分解する作用を持った酵素です。
皮脂による衣料の汚れ、動植物性の油脂を除去し洗い流すのに高い効果を持つ酵素として知られ、洗剤に用いられます。
アミラーゼはデンプンなどの分解に高い効果を発揮する酵素です。
デンプンは普段の食事の際などに衣服に付く事が多く、そうした汚れに対し強い力を持ちます。
また、デンプンの特徴として、デンプン自体の汚れは勿論の事、デンプンが糊の役目を果たし他の汚れを吸着してしまうという事がよく起こります。
こういうデンプンの作用を断ち切るにもアミラーゼが非常に有効です。
セルロース系繊維の分解に力を発揮するのがセルラーゼと呼ばれる酵素です。
この酵素は直接汚れを落とす事には作用しませんが、洗浄のサポートをする役割を持ちます。
また、細かい毛羽立ちなどを除去するような効果もあり、その為洗剤には用いられる酵素となっています。
ただ、この酵素はセルロース系繊維以外の繊維に対してはその効果を発揮できません。
酵素が洗剤に用いられる理由がお分かりになったでしょうか。
我々の身体にとって重要な存在でもあり、また洗剤などにも利用できる酵素は非常に優れた存在でもあると言えるでしょう。
